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2009年11月18日 (水)

キマセンデシタワーどころか

火曜日が来れば怪談レストランです。
アンコちゃんに絡むレイコちゃんが楽しみだお。
私はワクテカしてレコーダーの電源をオンにします。
最新話を観ます。

前菜……
アコの叔父さんが登場して旅先で死にました。

メインディッシュ……
ヤブっぽい医者が登場して自宅で死にました。

デザート……
考えすぎな猟師が登場して狩場で死にました。

――終了。

……!?

レイコちゃんの
出 番 な か っ た よ !

次回予告を見る限りでは次回も危うい! 出番がない!
ああ、新たなる怪談「いなくなった主役」の始まりなのか……。

それにしても、なんだかとても面白く感じてきたのはどうしてかな。
とくに今回は妙なノリがあったからなー。
次も楽しみ。
でもレイコちゃんの出番は切望します。

ちなみに以下、蛇の足にしても長い蛇足でござい。



 レイコが学校に来なくなってから、もう一週間が経つ。
 あまり馬が合わない子ではあるが、なぜだか今日になって急に気になり始めたアコは、放課後、レイコの家に行ってみることにした。
 休んでいる理由は、先生が言うにはただの風邪らしいけれど、いったいどこから伝わったのか、それについての気になる話をアコは友達から聞いていた。その内容は、欠席の連絡をしてきた親御さんの様子がどこかおかしく感じられた……というものだった。
 ただの風邪では、ないのだろうか。
 レイコの家に行くのは初めてのことだから、地図を見ながらとはいえ、少しは余計に時間がかかるだろうと思っていたアコだったが、道中、迷いそうな景色はとくに見られなかった。
 佐久間、と書かれた表札をみつけると、アコは歩みを止めた。
 チャイムを押す。
 ……、……誰も出ない。
 もう一度押す。
 ……、……反応はない。
 誰もいない。病院に行っているのかもしれない。
 それか、もしかしたら、たまたま家族が不在であって、玄関まで来られないほど体調の悪いレイコだけが中にいるのかもしれない。
 苦しんでいるレイコの姿が頭に浮かび、アコは自分でも不思議なぐらい不安になった。しかし、鍵を持っていないアコにはどうすることもできない。
 今は、その場をあとにするしかなかった。

 帰り道、アコはレイコの髪を思い出していた。
 アコと同じく小学六年生でありながら、大人っぽい印象を受ける上品な黒髪。
 腰まで届くその長さはアコのそれとは対照的であり、少し、憧れてもいた。
(早く、よくなるといいな……)
 目を伏せて、そんなことを思いながら、帰路を歩いたアコだった。

「ただいまー」
 家に帰るとアコは母から、アコ宛の郵便物が来ていると告げられた。ただし郵便物といっても、その封筒には「あんこへ」としか書かれておらず、どうやら家の郵便受けに直接投函されたもののようだった。
(怪しい……)
 薄気味悪く感じながらもその場で封を切ってみると、なかには一枚のメモ用紙が入っていた。
 そこに書かれていたのは――ただの落書きだった。
 見ようによっては文字の羅列に見えなくもない。しかしどう考えても落書きだった。
 タチの悪い悪戯だ。アコはそう判断し、くしゃくしゃに丸めてゴミ箱へと捨てた。

 その夜、アコは夢を見た。自室に、誰かがいる夢だ。
 それがいったい誰なのか、どこにいるのかさえもわからない。でも確かに気配だけは感じている。そんな曖昧な、夢。
 ――騒音が聴こえた。
 目覚ましが鳴ったことで、アコはその夢から覚めることができた。
 悪夢と呼ぶには微妙だが、なんとなく、気持ちの悪い夢だった。
 目が覚めても、体中に視線が纏わり付いているような感覚が残っている。
 ひどく、汗をかいているせいだろうか。いつもより、秋の空気が冷たかった。
(それにしても……朝、なの?)
 起床時間はいつもと同じ。すでに朝日が出ているはずなのに、部屋には少しの日差しも射していない。
 何も見えないなかでベッドを降り、窓の方へと寄り、カーテンを開けても部屋は暗闇のままで、月明かりすら入ってこない。
 曇っているのだろうか?
 だとしてもこれほどの暗さは、日が出ているならありえない。どうやら夜は明けていないようだった。
 時間が違うのだ。目覚まし時計が壊れてしまったのかもしれない。
(もう、しょうがないなぁ……)
 機械ものが壊れるのは、いつも突然だから困ってしまう。
 まだ夜中のようではあるけれど、どうも目が冴えてしまったので、少し、本でも読んでから寝ようと手探りでスイッチを探し出し、照明を点けるとようやく部屋には明かりが灯った。
 相変わらず窓の外は真っ暗だ。やはり、今はまだ夜なのだ。

 オハヨウ、アンコ。

 そのとき、突然どこかから声が聞こえた。耳元で囁くような掠れた声だったが、部屋全体に反響するような大きな声。
「誰?」
 思わず問いかけてみるも、返事はない。部屋の中には誰の姿もない。
 寝惚けている? それとも、これはまだ、夢の続きなのか。
 夢だとすれば、とんだ明晰夢だ。
 現実と変わらないように感じられる、もうひとつの不条理な世界。
 気味が悪い夢。早く寝て、早く覚めてしまおう。
 アコは、再び眠りにつく準備でカーテンを閉じようとした。
 しかし窓の端、カーテンに手をかけたとき、ふと、違和感を覚えた。
 窓の外。
 窓、窓には何もない。それは黒く塗りつぶされた、完全なる闇。
 ……違う。かすかに光っている。
 その闇、それ自体が、艶やかに部屋の照明を反射している。
 そこに何かある――まさか、いや、そんな!
 あの髪はなんだ! 窓に! 窓に!

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