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2009年1月11日 (日)

掌編小説『空から女の子が振ってきた』

【降臨賞】空から女の子が降ってくるオリジナルの創作小説・漫画を募集します。
http://q.hatena.ne.jp/1231366704

という催し物が行われているようで。(リンク先はちょっと重いかもしれないので注意)
条件は「空から女の子が降ってくる」話であればなんでもよく、字数制限は200~1000字程度とのこと。
自分は時々見かけるこういったお題形式のものがわりと好きなので今までにも書いてみようとは思っていたんだけど、今回ようやく、参加するわけではないものの条件を守って書いてみた。……書いてみたんだけど。書きあがったところで、あ、これ「降る」じゃなくて「振る」だった、と漢字の違いに気付いたわけで……振るには降るの意味はないようだから条件からは外れてしまうわけで、条件を守って書くというルールで書いたのに結局何にもならなかったわ……。
ア、アホだ……どうしてこういうミスをするんだろう俺は……。
でも、せっかく書いたので……字数は986文字。

『空から女の子が振ってきた』

「あの、あなたとはお付き合いできません」

 突然部屋に現れた女の子に振られてしまった。
 告白した記憶なんてないのに。

「すみません、何の話でしょうか?」
「いえ……その……」

 口ごもる彼女の下半身は何故か半透明になっていて足は見えない。どうにか見えるスカートの先から床までには1m以上距離があるが、見たところそれほど身長は高くなさそうなのでそんなに足が長いとは考えにくい。どうやら彼女は足が見えないだけでなく、空中に浮いているようだ。

「……あなたとはお付き合いできません」
「そうですか。わかりました。ではお帰りください」

 用件は終わったはずなので、僕はやんわり冷たく帰れと促した。
 脈絡もなく二度もピュアハートを傷つけられたのだ。馬耳東風で有名な僕の機嫌だって悪くなる。

「は、はい……えっと……」

 しかし彼女は部屋の中をうろつきながらまごまごしている。

「まだ何か?」
「まだ、逝けないようです……」
「行けないとは、まだ用件が終わっていないということでしょうか?」

「用件というか……あの、私は幽霊なのですが」
「ですよね。浮いてますし」
「はい。それで、成仏できなくて困っているのです」
「未練があるのですか、それは大変ですね。僕でよければ相談に乗りましょうか?」

「実は……私は死亡する前はあなたのことが好きで好きでたまらなくて、常に物陰から見つめていたのです」
「ああ、そういえば時々見かけたような気がします。あなただったのですか」
「その気持ちが未練となって、この世にとどまってしまいまして……」
「なるほどなるほど」

「始めのうちはどうにかあなたを連れて逝けないものかと呪ってもみたのですが全く効果がなくて……」
「僕は知らないところで命を狙われていたわけですね」
「あなたが私のものにできないのなら、いっそ早く成仏してしまいたいと思って、あなたのことを諦めようと一方的に拒絶してみたのですが……」
「成仏できなかったと」
「はい」

「では、無理しないでずっと僕の傍にいることをお勧めします」
「……それはどういう意味でしょうか?」
「僕もあなたの容姿だけは好ましいと感じることができますので、あと70年ぐらい待っていただければきっと一緒に逝けると思いますよ」
「嬉しいです。待ちきれないので今すぐ死んでくれませんか?」
「それはお断りします」

 ――そんなわけで僕は、空から振ってきた女の子と一緒に暮らすことになったのだ。

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